パニック障害とうつ病の違いって? 精神疾患を全体的にざっくり解説します【精神科医・益田裕介/早稲田メンタルクリニック】

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  • Опубликовано: 29 июл 2024
  • 精神科の病名はややこしいので、診察室で「この病名は何ですか?」と聞かれたときにどう答えているかお話しようと思います。あくまで、診察室で患者さんにわかりやすいようにアレンジして伝えているものとして見てください。
    <うつ状態>
    初めてクリニックに来る人は、うつ状態で来られる人や自律神経系の乱れが主訴の人が多いです。
    「うつ状態」というのは簡単に言うと落ち込んで気力が出ない状態です。もう少し正確に言うと、不安で焦燥感がある状態です。
    うつ状態は脳の病気が原因のこともあります。その場合は「うつ病」や「躁うつ病」と言ったりします。うつ病の場合は中高年発症が多く、躁うつ病の場合は10代〜20代で発症しますが中高年で見つかることも多いです。
    体の病気が原因でうつになるのは「甲状腺機能低下症」です。甲状腺には元気を出すホルモンがあるのですが、その機能が落ちることでうつになることがあります。甲状腺機能低下症の場合は他に乾燥、むくみ、冷えなどもあり、中高年女性の発症が多いです。そういったことから鑑別します。
    よく僕は「適応障害」と言いますが、パワハラや残業時間、業務内容などのストレスが原因でうつになっている場合に適応障害と診断したりします。
    <「適応障害」と「うつ病」の診断の区別>
    「適応障害」と「うつ病」の診断の区別はどうやっているのかと思われると思います。うつ病であっても直前にすごくストレスの掛かることが起こっていると思います。ややこしいのですが、適応障害は原因が取り除かれればうつが良くなるものですし、うつ病はうつ病エピソードを繰り返すのが特徴です。区別しなくても良いという派もあれば、した方が良いという派もあります。
    <「自律神経失調症」と「パニック障害」>
    ストレスが原因で自律神経の乱れ、動悸やめまいがする時は「自律神経失調症」と言ったりします。
    動悸やめまいがあまりに酷くて発作になってしまう場合は「パニック障害」になります。パニック障害の場合は、パニック発作・広場恐怖・予期不安の3つの症状があります。この辺りも結構似ています。
    自律神経失調症の重いものがパニック障害だと言って逃げることもあるのですが、重なる部分も多いです。
    <「適応障害」と「パニック障害」>
    適応障害とパニック障害が並存することもあります。もちろん、うつ病の人がパニック障害になったり、躁うつ病の人がパニック障害になることもあります。甲状腺機能低下症の人がパニック障害を併発することもよくあります。
    ただ、基本的に医療の世界では合併症は少ないと考えて診断することが多く、1つの病名でまとめることが多いです。
    職場のストレスでうつになり、時々発作のような動悸や過呼吸がある場合、パニック障害と診断して休職の診断書を書くこともあれば、適応障害と書くこともあります。僕の場合は適応障害と書くことが多いです。
    <二次障害としてのうつ状態とは何か>
    それから、よく聞かれるのは「二次障害としてのうつ状態とは何か」ということです。
    例えば、不安を感じやすい不安障害の人がストレスを感じてうつ状態になった時、それをうつ病と言うのかというとまた少し違います。発達障害(ADHD/ASD)の人が職場でストレスを感じて、不適応になりうつ状態になった場合は、発達障害からの二次障害からのうつ状態と捉え、診断書に適応障害と書くこともあります。
    人格障害の人がストレスを感じてうつ状態になることもありますし、依存症の人がストレスでうつ状態になってしまうこともあります。依存症からの二次障害としてのうつ状態と言ったりします。ただ、本当にうつ病を発症することもあります。
    トラウマや虐待の問題がある人がストレスを感じてうつ状態なることがあります。
    うつ病、躁うつ病は人口の1〜2%くらいは発症する病気ですが、もともと病気がある人がうつ病や躁うつ病を発症する確率は、体感としては5倍くらいあります。教科書や論文によって捉え方は違いますが、ベースに問題があると脳病としてのうつ病や躁うつ病は発症しやすくなります。
    <精神科の場合は病歴も大事>
    以上のようなことから、精神科の場合は病名だけでなく病歴もすごく大事で、紹介状も大事だったりします。その医者がその時にどういう判断をしてどのような薬を投与したかということも大事です。
    そう考えていくと精神科は曖昧な部分も結構あり、だからこそ病名にこだわるのではなく、ストーリーやドラマを重視する側面はあります。
    ただ、薬の使い方は病名にこだわります。適応障害と診断している時も、年齢的に好発年齢であればうつ病を疑って抗うつ薬を出すこともあります。作用、副作用、その人の環境に応じて薬を調整しています。
    診察室ではいつもこんな感じで説明しています。
    00:00 今日のテーマ
    00:53 うつ状態
    03:06「適応障害」と「うつ病」の診断の区別
    04:53「自律神経失調症」と「パニック障害」
    05:41「適応障害」と「パニック障害」の並存
    06:57 二次障害としてのうつ状態とは何か
    09:08 精神科の場合は病歴も大事
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Комментарии • 23

  • @user-nz8ti1kz7i
    @user-nz8ti1kz7i 2 года назад +22

    知人で2人程、パニック障害だって言ってた人いたけど、確かに似たようなことを言ってた。各駅停車の電車にしか乗れないとか、広場みたいなところで脂汗をかきながら座り込んでしまうとか。だから、そういう人がパニック障害って言うんだなって思った。うつ病は、怖いってイメージ。知り合いの奥さんが、うつ状態になってたんだけど、精神科なんて行きたくないと家にしがみついたりするので、両家の両親が、1日交代で一人にしないようにしてたんだけど、ある日の交代の時 立ち話を少しした一瞬の隙をついて、3階の屋上から飛び降りてしまった。あとは母のいとこのおばさん。とても明るい人って印象だったけど、数年前に家人が誰もいなくなった隙をついて欄間で首を吊ってしまった。どちらもよく知っている人だったので、とても衝撃を受けた。自分は、身体表現性障害と診断名をつけられているけれど、絶対自死なんてしたくないもの。長生きしたい。だから、本物のうつ病の人ってとても怖い。

  • @amamam565
    @amamam565 Год назад +10

    この動画を見て、先生みたいな
    親切で色々客観的に分析できる医師に早いうちに知り合えていれば
    と思います…

  • @user-uv1ni3ox8k
    @user-uv1ni3ox8k 2 года назад +14

    今日、心療内科行ってきました
    お医者さんにうつ病とパニック障害と言われました。
    同時にくるなんて、
    目の前が真っ白です

  • @user-uy9hn9qk1y
    @user-uy9hn9qk1y 3 года назад +20

    この内容を無料で教えてもらえるってすごい!

  • @hanakaze-xn5vs
    @hanakaze-xn5vs 9 месяцев назад +2

    いろんな病気の合併の可能性も教えて貰えてよかったです😊
    いつもありがとうございます😊

  • @An_gel_ot_ram
    @An_gel_ot_ram 3 года назад +12

    たくさん病名付けられてて何なのかさっぱりでしたがとてもスッキリしました。
    自分は基本のADHDから摂食障害とパニック障害そして双極性障害。飲んでる薬の組み合わせもさほど間違ってないようなので安心しました。ありがとうございます。

  • @user-lm6jo6jm1t
    @user-lm6jo6jm1t 3 года назад +11

    パニック障害からうつ病併発しました パニック障害の原因取り除かないと、どちらも治らないのでしょうか? パニック障害の原因は死に逃げしてるから取り除けないんです

  • @MiraiJikanImage
    @MiraiJikanImage Год назад +2

    経営者がブラックな場合、その経営者が悪というより、組織の構成員の間で
    「トップの言う事には無条件に従わなければならない」という圧力と相互監視が
    あって、そっちの方が苦痛だと思います。
    日本にはカウンターカルチャーが全く育たなかったようです。

  • @penguineering
    @penguineering 3 года назад +11

    自律神経失失調症と適応障害の違いはなんでしょう?

  • @yukikomakino7414
    @yukikomakino7414 3 года назад +13

    わかりやすく説明して頂きありがとうございます。私は心身の疲れが溜まると目眩、ふらつきなどの症状がありパニック障害、適応障害と言われています。気持ちは前向きなのですが身体が怠く動かない。目眩が怖くて外出できないので抗うつ剤を8年服用してますが、副作用がつらくジェイゾロフト12.5の半分しか飲ません。あらゆる抗うつ剤試してみても余計怠く、眠く動けなくなります。パニック障害を克服したいのですがSSRI以外に有効なお薬はありますか?リーゼを一日一錠飲んでどうにか生活してますが
    安定剤を早くやめたくて焦ります。

  • @mirai7625
    @mirai7625 3 года назад +9

    タイトルとはずれますが、
    精神科初診で適応障害、セカンドオピニオンでうつ病だったので、ややこしい…に尽きるのかもしれませんが、益田先生オリジナルの違いや見立てを聞きたかったです。
    また、どちらで診断するかで不都合があったりするのでしょうか。

  • @chantala6176
    @chantala6176 3 года назад +4

    主治医がうつ病、労災認定部会の精神科医は身体表現性障害、産業医(内科医)は適応障害と発達障害が潜んでいるとか?治療に影響ありすぎて服薬時手が震えちゃう、何の為に飲んどるやろって、苦しめんといてほしい🥺

  • @keiko612
    @keiko612 3 года назад +6

    うーん…
    どういうふうにドクターに伝えれば私のの症状、状態うまく伝わるのかなぁ。
    うつ気分高まって精神科行くたびに私の鬼門になるとこです。

  • @syuukinnryokou2000
    @syuukinnryokou2000 2 года назад +6

    もうちょい音声のレベルを上げてもらえたらなと思います。あるいは、音質の問題かもしれません。聴き取れない部分がありまして、もしかしてマイクのいいやつに変えてもらえたら、聞き取りやすくなるのでは。

  • @ma-cj7kc
    @ma-cj7kc 2 года назад +5

    前職で適応障害になったので、今の仕事でも何度も過呼吸になってこれも適応障害だなと思ってます

  • @ny-vt8gy
    @ny-vt8gy 3 года назад +6

    ところでパニック障害の薬って何で100パー効かないんでしょうか。
    まだまだ改良が必要なんですかね。

  • @user-df5kc2jq8l
    @user-df5kc2jq8l Год назад

    コンサータ飲んだ当日から疲労感がひどい…

  • @haruka0224
    @haruka0224 3 года назад +8

    ややこしいのはわかるんですけど……
    ややこしいって言われると、自分の病名は合ってるんだろう……特に鬱、躁鬱は、適応障害という判断からどうやってその病名だとわかるんだろう……再発するまで待たなきゃわからないのかな……とかややこしくモヤモヤしてしまいました……
    すみません。

  • @user-ql1jw2mn9m
    @user-ql1jw2mn9m 2 года назад +2

    私は2年前に おばあちゃんは何してから お父さんのお姉さんに嫌味を言われ そっから 一年半かけて 親と話し合い 私は 36年ぶりに できそうなら分かってから 親は明らかにとっていましたが 私はなかなか受け入れませんでした パニック障害を 精神科の先生に2回目だと言われ もらって ついていますが ひとたび 職場に行くと 人間関係で パニック障害が起きやすくなります

  • @kitanokitune
    @kitanokitune 3 года назад +9

    患者は病名なんて気にしなくていいんだよ

  • @masahikomarumo4009
    @masahikomarumo4009 Год назад

    私の主治医は初診の1989年以来、ずっと神経症で診断書を書いていますが、私の主訴に対して、不安が基底にあると診ているのでしょうか。まあ人生手遅れに終わったものの、2005年にアナフラニールで寛解したのは、やはりセロトニン系に失調があることを如実に示唆していますが。

  • @nasuco5458
    @nasuco5458 3 года назад +8

    先生わかりやすいです!!
    合併症はやっぱりありますよね。というか、多いですよね…
    メカニズム的に、合併起こりやすいですよね。
    やっぱり、精神科は奥深いですね。
    先生と働きたいです(笑)